TOEICの勉強法!映画で楽しめ!
映画で英語を勉強するなんて、上級者だけの勉強法でしょう?
いやいや、半年のアメリカ留学を経験した自分でも、洋画となるとほとんどわからないよ・・・。
そんな声が聞こえてきそうです。
映画を活用してのTOEICの勉強は、初級者から上級者までレベルを問わず、かなりおすすめできるのです。
映画でTOEIC対策をするメリット
唐突ですが、TOEICが何の略称だかご存知ですか?
Test of English for International Communicationの略です。
テストの名称からして、「英語のコミュニケーション能力」が重視されることが明確に示されているのです。
日本の中学・高校の英語の試験や入試問題で見られるような、発音記号問題や英訳・和訳問題は出題しません。
日常生活における会話やビジネスに必要な英語まで、幅広いシチュエーションにおいて、英語でコミュニケーションをする能力が測られます。
一本の映画には、たいてい様々な場面が出てきます。
TOEICで毎回のように出題される、外食や電話の場面はどの映画にも必ずと言っていいほど出てきます。
次のセリフは、オードリー・ヘップバーン主演の往年の名作「My Fair Lady」のピカリン大佐の言葉です。
This is Colonel Pickering speaking.
コローネル・ピカリンと申します。
I want to report a missing person.
行方不明者についてお伝えしたいのですが。
オードリー扮するイライザが行方不明になったシーンで、ピカリン大佐が警察に電話をする様子です。
This is ~ speaking(こちら~です)は、TOEICの電話応対問題における頻出表現の一つです。
英会話の場面を目で見て、耳で聞くことによって、机上の勉強よりもはるかに効率よく脳にインプットされると思いませんか?
しかし、ただ洋画を見るだけでは、残念ながらあまり効果はありません。
ここからは、具体的かつ効率的な「映画によるTOEIC勉強法」をご紹介します。
映画でTOEIC対策①見たい映画を選ぶ
一度見たことがある、お気に入りの映画を選ぶことが悪いわけではないのです。
ただ、英語の勉強において何より大事なことは「継続」です。
飽きてしまって、途中でやめてしまうようでは、ダメなのです。
「この映画が見たい!」と強い関心がある映画であれば、先が気になるので途中でやめられなくなります。
そこがポイントです。
映画で英語を勉強する方法は、山登りにたとえることができます。
最初はわくわくして、どんな楽しい勉強法なんだろうと、山を登り始めます。
しかし、徐々にわからない単語や表現を調べることが辛くなってきます。
ワンシーンごとにストップして、なかなか先へ進めません。
途中のスランプを乗り越え、到達した頂上から見る景色(=映画)は、これまでとは別の視界が拓けています。
日本語字幕や吹き替えではわからない、元の言語ならではの映画の魅力を感じることができるのです。
だからこそ、見たくて見たくてたまらなかった映画で、ぜひその達成感を味わってほしいのです。
また、元の言語が「英語」で、字幕で英語を選択することが可能かどうかもチェックが必要です。
broken Englishが多い近代映画よりも、クラシック作品がいいのか?という疑問については、さほど気にする必要はありません。
2016年5月実施のTOEICテストから、出題形式が変更されました。
TOEIC公式のインフォメーションやプレスリリースによると、変更内容として会話表現を重視したものが多くなっています。
日本の学校英語ではあまりお目にかかることのない、音の省略を含む表現も登場します。
I want to be a doctor.(私は医者になりたい。)
上記の英文は口語においては、次のように発言されることが多いです。
I wanna be a doctor.
他にも、going to → gonna、got to → gotta といった表現があります。
このように、TOEICテストにおいては、現代の英語圏の日常生活やビジネスで実際に使用されている英語が出題される傾向にあります。
基本的にどのようなジャンルの映画でも、TOEIC教材として使用することができます。
映画でTOEIC対策②必要な物
学習する映画が決まったら、早速始めましょう。
再生ボタンを押す前に、下のリストにある、必要な物を準備してくださいね。
・リモコン(一時停止と再生ができるもの)
・辞書(電子辞書でも構いません)
・飲み物(紅茶やコーヒー緑茶など、眠気が覚めるカフェイン入りがおすすめです)
映画でTOEIC学習をする際、何度も場面を静止することになりますので、リモコンは必須です。
電池が残り少なくなっていると、ボタンを押しても反応が悪く、時間のロスにつながります。
古い電池であれば、新しいものに交換しておくと勉強の効率が上がりますよ。
英語の学習において、普段は紙の辞書をおすすめしますが、映画で学習するときは電子辞書でも構いません。
これは、一番重要なことである「飽きずに最後までやり遂げる」ためのポイントでもあります。
映画で英語を学ぶ上で、最も辛く感じるところが、辞書での意味調べなのです。
最初は興味深く調べられるのですが、だんだんと面倒になってきて、「この単語はすっ飛ばしてもいいか」となってきます。
一つ、二つの単語であればいいのですが、「これも、そこまで重要な表現ではないだろう」と先を見たいがためにどんどん雑な学習スタイルになってしまいます。
そうなると、結局だらだらと映画を流してしまい、「何となくわかったつもり」で映画を見終えてしまうことが多いのです。
一度通して見てしまった映画は、結末が見えるので、最初に見るときの高揚感がなくなります。
映画で英語を学習するメリットの一つが、この高揚感を利用して記憶力を高められることなのです。
「なるほど!こういう意味だったのか!だからトムはあんな表情をしたのか」
などと、一つ一つの単語の学習に驚きや発見、感動があるため、記憶に定着しやすいのです。
スムーズに意味調べができると、怠惰な道の落とし穴を避けることができるので、電子辞書がおすすめなのです。
もちろん、自制心と学習意欲が強い方は、紙の辞書を使えば効果倍増です。
映画は普通に見ても2~3時間の長丁場ですが、単語や表現をチェックしながらとなると、少なくとも3倍程度は時間を要します。
いったんはまると、熱中して何時間もテレビの前で学習を進めてしまいがちなので、水分補給をして適宜トイレ休憩ができるようにしておくと良いでしょう。
映画でTOEIC対策③学習方法
お気に入りの映画を選び、手元にリモコンと辞書を用意したら、いよいよ学習に入りましょう。
まず、字幕を「英語」にします。
「最初は日本語字幕で見てから・・・」などと甘えてはいけません。
日本語字幕にしてしまうと、ほとんど意味がなくなります。
脳は日本語を追うことに懸命になってしまい、英語のリスニング対策にもならなければ、語彙も増えません。
日本語字幕の洋画を見て英語が上達するのであれば苦労はなく、映画好きな人は皆、英語の達人になれるでしょう。
地道に、ワンセンテンスごとに停止ボタンを押し、英文を声に出して読み、意味を調べ、理解しながら進めます。
次のセリフは、同じくオードリーヘップバーン主演映画「麗しのサブリナ」からです。
Come along,Sabrina.
おいで、サブリナ。
In a minute, Father. You go ahead.
お父さん、すぐに行くわ。先に行っててちょうだい。
I’ll be up soon.
すぐに私も上に行くわ。
使われている単語も、文法も難易度の高いものはありません。
とはいえ、教科書英語だけを勉強してきた人にとっては、単語の意味はわかっても訳し方がわからない人も多い表現です。
中学英語では、命令形は動詞が先に来ると習います。
しかし、ここでは「あなた(you)が先に行って」と主語を前に出した、やわらかい命令形になっています。
映像と共にこれまでの流れを、登場人物の表情や行動と合わせて見ることで、母国語を習得するのと同じような感覚で英語を自然に習得していくことができるのです。
一文ごとにはわからない表現もあるでしょうが、地道に単語の意味を調べて、丁寧に進めていくことで徐々に理解できていくので心配いりません。
日本語でも、一度聞いただけではよくわからなかった言葉も、何度もテレビや本、会話などで耳にするうちに、意味や使い方が身に付いた経験は誰しもあるでしょう。
まとめ
TOEICテストにおいては、生きた英語力を問われる問題が多いです。
今の時代にはもう誰も使わないような英語表現は出題されず、比較的簡単な英文をいかに短時間で正確に把握して、回答を見出せるかがポイントです。
TOEICで頻出の、英語圏で実際によく使われている英語表現を学ぶためには、映画は身近で便利な英語教材です。
日々の勉強に追われて、趣味の映画鑑賞がなかなかできない・・・という人には、まさに一石二鳥、趣味とTOEIC対策を同時にできる、一挙両得な勉強法です。
最後は、1950年に公開されたクラシックディズニー映画「シンデレラ」のセリフで締めくくります。
No matter how your heart is grieving if you keep on believing, the dreams that you wish will come ture.
心が傷ついていても、信じることをやめなければ、あなたが願う夢は叶うでしょう。
⇒ TOEICの勉強法と試験の概要を紹介!