TOEICの勉強法!600を狙うためには?
TOEIC600点の前には、一つの大きな壁が立ちはだかっているといわれます。
500点を突破するまでは、勉強時間に比例してTOEICの点数も順調に伸びていたのに、600点を目前に行き詰ってしまう人は多いのです。
この壁の正体と、打破して600点を超えるための勉強法をご紹介します。
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TOEIC600点の目安となる英語レベル
引用:www.toeic.or.jp/toeic/about/result.html
TOEIC公式サイトによると、TOEIC600点以上のレベルとして次の2点が例示されています。
・自分宛に書かれた簡単な仕事上のメモを読んで理解できる。
・ゆっくりと配慮して話してもらえば、目的地までの順路を理解できる。
海外赴任ともなれば最低でも700点以上は必要ですが、これから英語を利用して仕事をしようと考える人にとっては、まずはクリアしたいスコアが600点になります。
この10年ほどでグローバル化の波が急速に押し寄せた日本では、TOEICスコアを昇進・昇格の要件にしている企業が増加しています。
新卒・中途採用の条件にTOEICスコアを掲げる企業まで現れはじめたので、特に大学生にとって、TOEICスコアの取得は就職活動の幅を広げるためにマスト的な要件にもなりつつあります。
このような昇進や採用の条件となるTOEICスコアの最低ラインが、500~600といわれます。
学生から社会人まで幅広く受験者が多い英検に換算すると、TOEIC600点は英検2級~準1級レベルに該当します。
英検2級もまた、英検の級において合格が難しくなるラインといわれますので、TOEIC600点と共通する壁の存在が感じられますね。
立ちはだかる壁の正体は語彙
英検2級、TOEIC600点を超えるためには、5,000ワード程度の語彙力が必要だといわれています。
この単語数については議論も多く、高校までの英語教育ですでに5,000~6,000ワードに達しているともいわれます。
しかし、日本の大学生の平均語彙力は3,000ワード台で、5,000ワードを超える学生は1%程度とも考えられているのです。
しかも、単語を見せられてなんとか意味を推測できる、いわゆるpassive vocabulary(理解語彙)の語彙力の人がほとんどです。
active vocabulary(表現語彙) といわれる、辞書を使わずに自力で英作文において正しく取り入れられる単語数は、日本人大学生の平均は1,000にも満たないのではないかと指摘する専門家もいます。
TOEIC試験においては、選択肢に類義語が挙げられていることが多いため、passive vocabularyでは正解を導けない率が高いのです。
これが、英語が得意と自負する人でもTOEIC600点の壁を越えられないと悩む壁の正体です。
では何をすればいいか?
TOEIC600というスコアが、就職・転職活動や昇進・昇格のサクセスキーになることはわかった。
完璧に理解できる単語数が5,000ワード程度は必要、ということにも納得。
じゃあ、具体的にどうすればいいの?
お答えします。
TOEICテストで最も出題数が多く、スコアアップの要となるPart7に焦点を当てて勉強をしましょう。
リーディングセクションの最後の章にもかかわらず、100問中約半数の48問がPart7において出題されます。
いわゆる長文読解問題ですが、長い英文を読み解く練習をすることで、穴埋め問題のPart5、Part6の対策にもなります。
リスニングはいいの?ともちろん疑問に思うことでしょう。
TOEICの配点は、リスニングが5点~495点、リーディングも同様の配点でトータル10~990点のスコアで評価されます。
リスニングとリーディングの配点比率が同じなので、当然リスニング対策も必要です。
ただ、リスニングの場合は日々英語を聞くことによって耳さえ鍛えれば、長文読解問題の対策によって語彙力がアップすれば、リスニング問題も解けるようになります。
ここからは、リーディングとリスニングで別々に、TOEIC600点突破のための具体的な勉強法を伝授します。
リーディングはビジネス・ニュースを中心に
市販のTOEICの問題集や単語帳の中身を眺めてみるとわかるのですが、ビジネス関連の文章や単語が多いのです。
TOEICを導入する企業が増えたために、より実践的にビジネスの場で使われる英語表現が多く出題されるようになったといわれます。
ビジネス用語は、学校英語ではあまりお目にかかりません。
突然ですが、次の日本語を英語にできますか?
「企業のパンフレットがEメールに添付されています。」
正解は、The company brochure is attached to the e-mail.
とてもシンプルで、ビジネスにおいて最もよく使われる基本的な英文の一つです。
ただ、brochureやattachという単語は、ビジネス以外の文書、特に学校英語ではあまり使われない単語でもあります。
TOEIC600の壁を打破するためには、5,000ワード程度の語彙力が必要といわれますが、TOEIC頻出分野の単語から学んだ方が得点に結びつきます。
ただ、現在TOEIC500点台の人にとっては、いきなり英字新聞を読むことは無謀でしょう。
わからない単語が多すぎて、時間ばかりかかって非効率的です。
そこで、日本で発行されている英字新聞の活用がおすすめです。
日本語訳やポイント的な解説がされているため、読みやすく、苦になりません。
1つ1つの単語をすべて覚えようとするのではなく、毎日できるだけ多くの英文記事に触れることが大事です。
大雑把に読んでいき、「この単語の意味が気になる」というものだけ調べてもいいのです。
慣れないビジネス英語は、調べてもすぐに忘れやすいのですが、何度も目にするうちに記憶に定着していきます。
新聞で使われる英語表現は、実は限られていて、多くの単語は日々使いまわしされているのだということに徐々に気付いていきます。
そうなると、TOEICのPart7の問題を「本当はこんなに簡単な英語表現ばかりだったのか!」と、うれしい驚きを感じられるはずです。
リスニング対策にはNHKラジオ講座
TOEICはリスニングセクションだけで100問あるため、リスニングが苦手な人はTOEICを敬遠する傾向にありました。
しかし、多くの企業が一般社員の評価基準にもTOEICスコアを取り入れている現在、苦手だからといって避けて通れないものとなってきています。
リスニングが苦手な人が突然本試験問題を解いても、なかなかスピードについていけず、勉強法としてはハードルが高くなります。
そこでおすすめする勉強法が、NHKのラジオ英語講座の活用です。
レベル別にいくつもテキストが用意されていますし、1冊500円程度と安価です。
ラジオがなくても、パソコンでNHKの公式ホームページ経由で前週分をいつでも無料で聞くことができます。
レベルに応じて英語のスピードも異なるため、無理なくリスニング力を強化していくことができます。
英語を聞き取れる耳をつくるためには、毎日英語を聞くことが大切です。
忙しいビジネスマンでも、通勤時間を利用したり、家で身支度を整える時間にBGMとして英語を流すだけでも充分対策になります。
現在すでにTOEIC500点台の人で、600点に挑戦しようとしている人には、特に「実践ビジネス英語」が適しています。
TOEICのリスニング、リーディングに頻出の話題や語彙が、レッスン毎に登場します。
「実践ビジネス英語」の2016/7/28放送分のテキストには、次のような英文が出てきます。
Those kinds of experiences are priceless.(こうしたたぐいの経験は、お金で買えるものではありません。)
これをリスニング問題で聞くと、最後のpricelessだけに注目してしまい、商品などの選択肢を選ぶというミスをしがちです。
経験はお金で買えない、このような日本語でもよくある表現が英語でもあることを知っていれば、前後の文脈と単語をつなげることができます。
Part3、Part4の69問にいたっては、リスニング力だけでなく問題文に記載してある英文を速読する力も求められます。
英文と和訳が対で表示されているテキストでリスニング対策をすることで、耳を鍛えると同時に速読力も培うことができるのです。
まとめ
2016年5月のTOEICテストの出題形式の変更によって、難易度は確実に上がったといわれています。
リスニング問題においては、問題の英文が全て印刷されているPart3とPart4の問題数が大幅に増えました。
つまり、リスニングセクションにおいても、正確な英語の速読力が物を言うのです。
正確に英語の長文を読み解くためには、やはり語彙力が鍵を握ります。
TOEIC600点突破のために最適な勉強法は、TOEICで出題割合の多いビジネス分野の語彙を増やすことです。
TOEICに出てくる単語は決して難しいものではないので、ぜひ楽しんでチャレンジしてみてください。
健闘を祈ります!!