TOEICの勉強法!中級者のためのパート別対策 Part7編
TOEICでは初級から中級の架け橋とも言える400点から600点前後の皆様。この皆様が受験する上で、各Partをどのように学習をしていけばいいのか、その注意点はどこにあるのか、などをこの記事では書いていきます。今回はPart7対策です!
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はじめに:最難関のPart7、乗り越えるには
TOEIC公式試験におけるPart7は、公式HPの文言を引用すると、「1つの文書:29問 複数の文書:25問 いろいろな文書が印刷されている。設問を読み、4つの答えの中から最も適当なものを選び解答用紙にマークする。文書内に新たな一文を挿入するのに最も適切な箇所を選ぶ設問もある。各文書には設問が数問ずつある。」というものです。
引用:http://www.toeic.or.jp/toeic/about/tests/sample07_01.html
いよいよ全ての難関を乗り越えてきたTOEIC受験者を待ち構えるこの最大難関、Part7。このPart7はどれだけ慣れたTOEIC受験生でも解くのにかなりのエネルギーを費やすエリアです。
その合計数54問。複数テキストの問題が300文字前後くらいになることを考えても、とにかく英語文章の波濤に体をさらわれることになります。
初心者から中級者の皆さんがこのPartに差し掛かって感じることは、まず「もう嫌だ」ではないでしょうか。このPartにたどり着くまで、皆さんはかなりの力を費やしてきたはずです。試験時間も残り45分から30分を切り、焦りに気持ちが苛まれているかもしれません。
このPartに関する限り、中級者までの受験生に言えることは、とにかく「英語の基礎体力」を鍛えておいてほしいということです。
英語の波に乗るために、とにかく何百字以上の英語テキストに触れてもへこたれない読解力が必要となります。
それを鍛えるには、とにかく受験する前に可能な限り英語の多読を繰り返し、英語を英語のままスッと頭の中に落とし込む力を育成しておくのが大前提です。
具体的には英字新聞やビジネスメール集などのテキストを一日数回以上読み、日本語で理解した後にもう一回読み直す、と言った作業をルーティーン化しておく必要があります。
引用:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/52/Business_Reply_Mail.svg/2000px-Business_Reply_Mail.svg.png
そこまでの基礎体力があってようやくPart7の解法やコツを利用することができます。何よりも重要なのは基礎学力であるということは必ず覚えておいてください。
新形式のPart7:チャット文や三つ以上のメッセージが交錯する
Part7は形式が変わった2016年の5月から、チャット型式の長文問題を採用するようになりました。
以下、そのチャット問題とテキスト図表問題をサンプルから引用してみていきましょう。
引用:http://www.toeic.or.jp/toeic/about/tests/sample07_02.html
日本語でもそうですが、SNS等のチャット短文(テキストメッセージチェイン)は、チャット会話での文脈に依存して、文法的に様々な要素が脱落していることが多いうえに、口語的な表現が増えてきます。
サンプル問題を見ていただきましょう。文章の一つ一つは完成されてはおりませんが、会話上の意味は通っています。
言い換えると、Part3の英会話リスニング問題がテキストになってPart7に再登場したというイメージに近いでしょう。
例えば、sure thing「了解」と、通常の文章ではなかなか使われない表現が使われている他、same aieline?「同じエアライン?」という、文脈に依存した単語だけで会話を返しているなど、今までのメールや広告読解問題の内容にはない、短くてスピーディーな展開の内容が伝わってきます。
このテキストに関する問いの選択肢は、第一にテキストメッセージの内容からメッセージ発信者が今どのような状況にあるのか、第二に口語表現が指す会話の内容はどのように言い換えられるか、というものになっています。
どちらもそこまで難易度は高くない問いになりますが、文脈が確実に読めること、文章の内容をパラフレージングできることが正答にたどり着く必須条件になっています。例えば、最初の問いかけではテキスト自体に明確な解答が残されていません。むしろ文章に書いていない内容を提示して、一番近い内容を選ばせるという意図が見受けられます。
これは一種の推理問題に近く、英語になれている人ならかえって楽しめる程度の問題ですが、中級までの受験生は、「本文の内容が意図的に含まれている選択肢は疑ってみる」というTOEIC試験の鉄則を忘れないように心がけ、冷静に選択肢を切っていきましょう。
ビジネスにまつわる内容が増える
新形式のTOEICPart7では、公式問題集でも採用されているように、ビジネス関係の書式の数が多くなっています。
公式サンプル問題に採用されているようなインターネット通信販売における購入者とサイトとのメールのやり取りは代表的な複数文書タイプのものです。
それに加え、新形式では英語圏で使われる契約文書、お客様ハガキのようなアンケート文書、その他ビジネス実務で使われるような発注書や会議資料、スケジュール帳とその調整、チケットの予約など、かなり本格的な実用文書の理解力を問う問題が出題されています。
引用:http://exitpromise.com/wp-content/uploads/2013/07/bigstock-Image-of-business-contract-on-39481198.jpg
中級者までの人々はこのような実用英文書式に慣れ親しんでいない人がほとんでしょうから、先ずはPart7攻略に挑む前に、一定量の練習を積んでおいた方が良いと思われます。TOEIC公式問題集のPart7を何回も繰り返して覚え込むのも良いですが、それだけでは若干の不安が残りますので、幾らかサブテキストを用意しておきましょう。
例えば、書店の英語学習関連書籍コーナーに行けば、Eメールや公的文書フォーマットの書類を探すことができますし、ちょっとその気があれば「English formal document」と検索するだけで山のような画像を調べることができるはずです。
さて、話を実際のPart7攻略に戻しますが、このような複数ビジネス文書問題を攻略する際に気を付けることは、Part4やPart6の内容とほぼ変わりません。
まず、文書自体の種類を読みながら判断していきます。請求書、公的メール、スケジュール、受発注に関するものなど、必ずその文書が伝えたい目的が書かれているはずです。それは読み進めながら問題のコアになる部分として意識していきます。
次に、TOEICではお決まりの内容ですが、各文書が交互にどのような働きかけをしているのかを理解することです。
購入者のクレーム文書を例にとるなら、一体何が購入者の要望なのか、なぜそれが起きたのかをしっかりとその文書から把握します。その前後に出てくる商品の説明や配送の日時など、クレームのもとになりそうなものは必ず意識しましょう。
複数文書の場合、こうした文書と文書の間で交わされる情報に気を配りながら、因果関係をしっかりと理解する必要があります。必ずどちらかがもう片方の存在を根拠づける内容が含まれているので、それを見逃さないようにすることです。
選択肢の中はやはりパラフレージングだらけ
Part7の複数文書問題における選択肢は、以上のような複数文書の因果・相互関係、送り手と受け手の要求と返答、文書内の数値や期限に関する内容を理解しているかを問いかけるものがほとんどです。
引用:https://easybib.files.wordpress.com/2012/08/effectiveparaphrase.png
そして、これが更にTOEIC、ひいては英語関係の試験に共通していることですが、本文の内容に即したことを表現している選択肢はほぼ全てと言っていいほど別の英単語などを用いて表現されています。前述のパラフレージングですね。
Part7の選択肢で正答となるものは、同じようにほぼこのパラフレージング済の内容です。中級までの受験生はこの構造に惑わされないようにして下さい。他のPartでも同じですが、まず本文の内容や単語をそのまま引用しているような選択肢は間違いの可能性が高いです。
いわゆる引っかけとして機能するこのパラフレージング選択肢は、まさしく初心者や中級者が「英語の理解が不十分」という点を衝いてきます。選択肢の内容をしっかりと読まずに本文の単語が入っているからなんとなくそれを選ぶ、ということがないようにしましょう。
おわりに
いかがでしたでしょうか。Part7はとにかく読解に時間がかかる最後の難関です。読まなければいけない英語の数は飛躍的に増え、選択肢も巧妙なパラフレージング、因果関係の理解を試すように配置されています。めげることなく、手に入るビジネス文書問題集や公文書に触れる回数を増やし、準備を万端にして臨みましょう。
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