TOEICの勉強法!上級者のためのパート別対策 Part3編

Part3から長文になります。話のスピードについていけずに聴き逃してしまい、悔しい思いをした方も多いのではないでしょうか。
そんな方達の為に聴き逃しを出来るだけしないで、ハイスコアをとるコツをご紹介します。

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会話は文脈が大事

Part3から複数センテンスが連続して流れてきます。
Part3は二者による会話ですが、こちらが聴いていることなど御構い無しにどんどん話を進めて行きます。
このため、単語あるいは1センテンスまでは聴き取れるが、文脈の理解が追いつかない状況になります。
結果として、次のセンテンスを聴き逃してしまうということが増えてきます。
私も800点前後の時は聴き逃しがあり、なかなかスコアが伸びませんでした。
聴き逃しをするのは英語のスピード・語順に慣れていないため、理解が追いつかないことが原因です。
‥と長らく思ってきました。
確かにそれが大きな比率をしめてはいましたが、それだけではなかったようです。
何が足りなかったかというと、会話の主題とか文脈を掴もうとせずに、言葉を聴き拾って英語で理解するだけだったのがよろしくありませんでした。
日本語でもそうですが、人と話をする時は自分の立場(または立ち位置)に相手の話を乗せて理解するということをしています。
それは文脈を掴もうとするために、自分の尺度で計ろうと無意識にしている行為です。
文脈がつかめないと、”意味わからない”、”何言っているかわからない”となります。
この時、言葉は聴き取れていても、意味がわからないという状態です。
私たちにとって外国語である英語の場合は、この無意識回路が頭に十分にできていません。
ですから、意識して文章の主題・文脈・場面を把握しようとすることが必要なのです。
次にそのポイントを解説します。

会話の特性に合わせた対応

Part3の会話文対策には次の3つのポイントがあります。
・会話の調子で、文脈と場面を大掴み
Part3の特徴は会話文であるということです。
会話にはPart4のナレーションには無い利点があります。
言いっ放しではなく、言葉のキャッチボールなので、話し方に気持ちが入っています。
・会話で言葉を補完
会話の基本形は”問いに対して答える”ということなので情報が補完的になっており、”問い”と”答え”で実質的に2倍の情報量になっていることもあります。
・設問は疑問詞を見ておく
設問を全文読めれば良いですが、その余裕がなくて、聴き取りを逃してしまう可能性もあります。その場合は文頭の疑問詞だけを見ておいてください。それだけでも、5W1Hの中、集中して聞くべきポイントがわかります。
次にそれぞれを具体的に解説しましょう。

会話の調子で、文脈と場面を大掴み

例で説明しましょう。
A: I can’t do this any more.
(もう、できないよ)
B: Hang on!
(がんばれ)
いかにも気持ちの入りそうな会話です。
次に設問に答えるためのコツを加えて説明します。
それには話者が笑みを浮かべながら話をしているのか、うつむきがちに話をしているかを想像すると良いと思います。
前者であれば、ポイジティブな話になっているということですし、後者であれば良くない方向へ向かっているということです。
例を見てみましょう。
A: We won a $1.2 billion contract with Bravo Corporation today.
(Bravo社と12億ドルとの12億ドルの契約を取り付けたよ)
B: You got a be kidding!
(まじで?)
A: I’m serious.
(ほんとうだよ)
B: Why don’t we toast tonight?
(じゃ、今夜は乾杯だね)
A: You bet!
(そう、こなくちゃ)
どうでしょうか、何だか口元が緩みますね。
設問は次のようになると思います。
What will they do after the job?
A) Go straight home.
B) Play with their kids.
C) Have some drink.
D) Have toast and coffee.
前述の会話のように盛り上がっていたら、飲みに行くのが自然な流れですから、正答はCですね。
こういう場合は会話の調子をつかむことが回答の助けになります。
なお、Dは音を利用した引っ掛けですから、ご注意ください。TOEICではこのような引っかけが頻出します。
 では、次の会話はどうでしょうか。
A: Do you know John just got fired.
(ジョンが解雇されたんだって。知ってる?)
B: He’ll leave tomorrow. I don’t have anything to say.
(明日、出て行くってさ。何も言えないよ)
A: He was a good guy and not so old. I wonder why him?
(良い人だったし、そんなに年取ってないよね?何で、彼なの?)
B: I believe vice president knows the reason why.
(副社長が理由を知っているさ)
A: That’s the life. We might be next.
(まぁ、これも人生だね。僕らが次かも)
こんな調子だと、ウキウキした流れにはならないわけです。
設問はこうなります。
What is implied on the cause of discharging John?
A) He is a good guy.
B) They have no idea.
C) Vice president might tell the reason.
D) His age.
設問が”imply”を含んでいますから、直訳ではなく、流れを読むことがますます必要です。
この文も流れを読めば、Aにはならないはずです。
正答はCになります。
Bと迷うところですが、I believeとなってしなっているわけですから、全くのno ideaではないわけです。

なお、リスニングもリーディングもそうですが、会話またはナレーションで使われた単語は使われず、異音同義語が使われるということです。
意味を理解していないと、同義語に置き換えることはできないため、その能力を見ているわけです。

会話で言葉を補完

補完を例で言いますと次のようになります。
A: Here I am.
(来たよ)
B: I knew you would come.
(来ると思ったよ)
ほぼ復唱に近いですね。

もう1つ例を出しましょう。
A: Did he refer to the project?
(彼はそのプロジェクトのこと何か言ってた?)
B: Actually, he mentioned another project.
(いや、実際のところは別のプロジェクトに言及していたよ)
AとBのどちらの情報が欠けても、彼のプロジェクトに対するスタンスを話題にしていることはわかります。
こう言う特徴を生かさない手はありません。

もう1つ例を出しますが、皆さんが使う機会も多いと思いますので、和訳は付けません。
A: Good morning. May I have your ticket and passport, please?
B: Here you are.
A: Thank you. You are flying to Los Angeles today.
B: Exactly.
A: Any transit flight?
B: No transit.
A: Anything else?
B: Oh one thing. Can I have an aisle seat?
A: Yes, Ma’am. Let me check.. Sure. I could have an aisle seat for you with seat number 27C.
B: Thank you.
A: You are welcome. Have a nice flight.
特にカウンターは復唱的な会話になる傾向があります。
例えば、”Any transit flight?”に対して、”Yes”と答えると”Transit through Los Angeles to where?”というように質問されるので、やはり情報が復唱・補完されます。
つまり、万が一聴き取れない部分があっても、場所によっては100%に近い正答率も可能なのです!
諦めないでください。
その他、復唱型会話には情報を確認するという意味もあります。
特に航空機搭乗などで間違えがあると大変なことになるからです。
次の部分が、それを端的に表しています。
A: Can I have an aisle seat?
B: Yes, Ma’am. Let me check.. Sure. I could have an aisle seat for you with seat number 27C.
このような受け応えを見つけることができれば、より自信を持って答えることができます。
ここまで説明すると、次の設問の答えは簡単ですね。
What does the passenger want to get?
A) Ticket for Island Theater.
B) Transfer ticket
C) An aisle seat
D) Ticket for flight 27C
正答はCになります。

設問は疑問詞を見ておく

設問を先に読むということが有効な場合がありますので、余裕があれば会話文が流れてくる前に見えておきましょう。
例えば次のような設問があったとします。
Where was he apprehended?
この場合はWhere = “どこ”まで覚えておけば良いと思います。
日本人にあまり馴染みのない”apprehend”という動詞についてまで、会話が流れてくる前に覚えようとするのは思考の無駄使いです。
また、選択肢まで読むこともお勧めしません。
”選択”するということは”考える”ことなので、”読む”だけよりも、脳に負担と時間がかかります。
少し考えるとわかりますが、
設問の選択肢4つ覚えて1つの選択肢を会話文から選び出す(選択肢先読み→会話で回答)よりも、
会話文の1つの正答を選択肢4つから選ぶ(会話でポイント記憶→選択肢から回答)方が、
思考の無駄遣いになりません。
この”会話でポイント記憶”のポイントを事前に知るために設問の疑問詞を覚えておくのです。
前述した設問例に対する会話文で説明します。
A: I thought you were under arrest near the station.
(その駅の近くで君が逮捕されたと思ったよ)
B: Absolutely not!
(んな訳ないでしょ)
B: Actually at a reception of a hotel near the station.
(実際は”駅の近くにあるホテルの受付で”の間違いだよ)
A: That figures.
(なるほどね)
設問では”Where”の疑問詞を見ていたはずなので、”場所”を頭に入れながら聞けば、正答できます。
ここでも引っ掛けにご注意ください。
Where was he apprehended?
A) In front of the station.
B) At a front desk of a hotel.
C) He never arrested.
D) On his way to a hotel.
初心者ではAと回答し、中級者ですとBとCに絞り込めると思います。
上級になると”front desk”と“reception”が同義であることがわかりますので、Bの正答を迷わず選択できます。
いかがでしたか?

まとめ

声の調子で場面を大きく捉えながら文脈をおさえ、会話のキャッチボールから情報を補完・補強しましょう。
余裕があれば設問文頭の疑問詞を事前に見て覚えた上で、会話リスニングに臨み、選択肢から効率的に回答を導きましょう。
これで、皆さんも正答率があがっていくはずです。