TOEICの勉強法!中級者のためのパート別対策 Part2編
TOEICでは初級から中級の架け橋とも言える400点から600点前後の皆様。この皆様が受験する上で、各Partどのように学習をしていけばいいのか、その注意点はどこにあるのか、などをこの記事では書いていきます。今回はPart2対策です!
はじめに:Part2の構造を再確認
TOEIC公式試験におけるPart2は、公式HPの文言を引用すると、「応答問題 25問 1つの質問または文章とそれに対する3つの答えがそれぞれ1度だけ放送される。印刷はされていない。設問に対して最もふさわしい答えを選び解答用紙にマークする。」というものです。
このPartからがTOEIC試験リスニングの本番ということができます。問題文はなく、リスニングで聞こえるテキスト読み上げだけを頼りにして問題を解いていかなければならない試験の始まりです。このPartからはかなり集中力を上げて音声に集中していかなければなりません。
ここで重要になるのは、各問題の問題文、すなわち質問および文章の情報をできるだけ正確に理解して頭の中に英語のままで残して理解することです。この作業ができるかできないかによって全てが決まります。
質問部分が理解できていないと、その後の適切な受け答えや反応を見抜けず、ひっかけ選択肢に躓いてしまうことになります。これを避けるためにどうすればいいのか。以下、実際にサンプル問題を解きながら見ていきましょう。
質問をしっかり聞きとる
さて、それでは公式のサンプル問題を解いていきます。ここでは英語のテキストを筆者が聞き取ったものを記載して進めていきましょう。
Q Where is the new fax machine?
A Next to the water fountain.
B I will send a fax tomorrow.
C By Wednesday.
問題文の最初、質問が読み終わるまでの時間は3秒ほどです。この3秒に全てがかかってきます。ここで聞くべきなのは第一に「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように」の5W1Hを聞きとることです。
このサンプル問題ではwhereが最初に来ていることを聞きとれるかがカギです。この「どこに」という疑問詞を聞き取れていれば、選択肢の文章はすっと選ぶことができるようになります。
問題を全て訳してみると、「新しいファックス機器はどこですか?」「給水器の隣です」と言うのが答えになります。引っかけ選択肢は「明日私がファックスを送ります」「水曜日までには」と言うもので、どちらも疑問詞が理解できていれば素直に正答を選択できますね。
では、公式サンプル問題からもう一問、解答を行ってみましょう。少し難易度の高い、サンプル問題No.10を解いてみます。
Q Mariko announced that she is retiring in the April.
A How many did you count?
B I’m not tired at all.
C Right, she has been here 25 years.
この問題はPart2でも割と難解な部類に入る問題です。と言うのも、前述したような5W1Hを最初の文に含んではおらず、その分解答を選択することはかなり神経を使わなければならなくなります。
文章が流れた際、しっかりと「マリコと言う人が4月に退職する」と言う情報を確保し、脳内の記憶にとどめておくことが重要です。これで次の引っかけを避けることができるようになります。
ところで、実際の選択肢を見てみると、これもなかなか初心者には手ごわいものになっています。
選択肢はそれぞれA「どれくらい数えましたか?」B「私は全く疲れていません」C「ええ、彼女はここに25年間も務めましたから」と言うものですが、特にBとCで初心者は迷うことになります。
最初の文章の内容がしっかり維持されていれば、ここで「ああ、Cが正解だ」とわかります。Cは直接な言い回しではありませんが、質問の文章を肯定するrightという単語を発し、それからマリコの勤務年数を語って「辞めるのも納得がいく」と言う趣旨の発言をしています。
しかし、retireという言葉をしっかり理解できていない受験者は、tireとretireを混同し、「マリコと言う人が疲れたと言っているのかな」と誤解して、Bの「私は全く疲れていない」と言う内容と結びつくかな、などと勘違いしてしまいます。大変勿体無い間違いですね。
これくらいで問題の解答は締めくくっておきましょう。このような直球の質問文から変化球の質問文までが25問並び、後半になればなるほど、その捻られ方が大きくなっていきます。
どのように解いていけばいいのか…とお悩みの初心者の皆様、お待たせいたしました。それではここから、Part2の解答対策を書いていきましょう。
質問文を理解する方法
前述しましたが、Part2では最初の質問文で語られる情報が全てのカギになりますので、この質問文をしっかり押さえなければなりません。
まず、質問文が流れる際、5W1Hは必ず探し出すようにしましょう。Part2序盤の問題では必ず役に立ちます。
次に、5W1Hが流れないような質問の場合。この場合は、質問文の内容を「英語でそのまま理解できる」ように思考方法を変えます。
これはなかなか難しいかもしれませんが、乗り越えれば英語が上達する山場なので、少し本腰を入れて勉強してほしいところです。
サンプル問題を例に取って考えてみましょう。
Mariko announced that she is retiring in the April.と言う文章ですが、この文が流れていく間に、大まかな意味の塊で内容を意味で理解するようにするのです。
具体的に言うのであれば、「マリコ/告げる/彼女はリタイアする/四月に」と言う形です。全てを文にして理解していくと時間がかかり過ぎて試験全体の流れに飲み込まれてしまいますから、このように割り切ってかみ砕いてしまうのです。
こうすれば、文で理解しなくても断片的には脳裏に残りますから、次の選択肢に余裕を持って耳を傾けることができます。本番では英文が書かれていないことをよくよく留意してください。
さて、問題文に関する解法はこれくらいにして、次は選択肢の対策に視点を移しましょう。
選択肢の言い回しを見て考える
さて、質問文の後にくる選択肢ですが、Part2に関する限り、こちらの選択肢にはパターンがあります。
そのパターンは大別して三つです。まず、質問にしっかりと答える正答。次に、問題文の内容やそれに類似した内容をわざと文章の中に入れて、質問文をしっかり理解していない受験者を惑わせる引っかけ。最後に、問題とはほとんど関係の無い内容の選択肢です。
この中で一番厄介なのは、やはり引っかけの選択肢です。この選択肢は、質問文が話している内容にかなり明確に「近い」内容を語る解答で作られています。
例えば、本記事で取り上げたサンプル問題の内容でもありましたが、文章の内容や似た単語を敢えて選択肢の中に取り入れているパターンが代表的です。
それ以外にも、「車でどうやって行きますか」と言う質問文に対し、「国道〇号線を使ってください」と言う選択肢に並べて、「私は飛行機でいきます」と言う、根本的な行動は同じですが手段を変えて間違いに誘導するものも多いです。
あるいは、YES、NOを質問の正答に使うものが序盤で現れる一方で、前述のように、後半では正解を「回りくどい言い回し」で表現する選択肢が増えます。
実際に英会話をする時に言いづらいことをうまく遠回りに表現することは英会話でも多いので、敢えて採用された選択肢だと考えて良いでしょう。
これらのことを考えると、実は裏技的な選択肢選びもできます。例えばリスニングで聞きとりづらかった文の解答を選択するとき、明らかに違うことを言っているもの、文の中で聞こえた単語と似た単語が混じっているものは引っかけとみなす、ということです。
上の方法で解くことは確かにできますが、あくまでも最後の方法として、緊急避難的に利用した方がいいでしょう。
おわりに
いかがでしたでしょうか。Part2は25問あり、リスニング試験の前半で大きな得点源となります。中級者までの皆さんはここをしっかりと得点源にして、更なるスコア獲得を目指しましょう!