TOEIC スピーキングの勉強法

TOEICにスピーキングテストはないのでは?と思っている人も、実際にはまだ多いでしょう。

日本でTOEICといえば、TOEIC L&R、リスニングとリーディングのテストを受ける人が主流です。

スピーキングテストがあるのは、TOEIC S&Wという、スピーキングとライティングの二本立てのTOEIC試験です。

日本のお隣の韓国では、このTOEIC S&Wのスコアが企業就職において重視されています。

「ペーパーテストの点数はいいのに、実際には英語が使えない社員が多い」と嘆く企業トップは多いので、日本企業においても徐々にTOEIC S&Wに着目する動きが出ています。

また、TOEIC Speaking Testだけを受験することも可能です。

TOEIC Speaking Test(公開テスト)で150点以上を取得すれば、英語能力を証明する国内唯一の国家資格である通訳案内士の一次試験の英語科目が免除となります。

この記事においては、特に日本人が苦手とするTOEICスピーキングの勉強法について詳しく解説します。

仕事で英語を使う人のために、明日からでも役立つ英語表現を勉強法と共に紹介していきますので、参考にしてみてください。

この記事のContents

TOEICスピーキングテストの概要

勉強法の前に、まずはTOEICスピーキングテストの特徴をみていきましょう。

TOEIC S&Wは、TOEIC L&Rの公開テストとは別に行われますので、別途申込が必要です。

Speakingテストだけを受験したい場合も、TOEIC公式ホームページから専用申込をします。

試験会場にはインターネット接続されたパソコンが用意されていて、パソコン上で音声を吹き込んで解答するという試験形式になっています。

紙と鉛筆でマークシート形式の解答用紙に記入するTOEIC L&Rとは、だいぶ試験方法が異なります。

Speakingテストでは、約20分で11問が出題されます。

まず最初の2題では、短い英文を音読します。

ここでは、発音、イントネーションやアクセントが評価されます。

早く読めばいいというものでもなく、採点者に正確に英文や単語が伝わらなければ高スコアとはなりません。

かといって単語と単語の間を空けてしまうと不自然だったり、時間オーバーとなってしまうので注意が必要です。

次は写真描写問題で、写真を見て内容を説明するというわりと単純な問題が1題あります。

発音等に加えて、正しい文法で話しているか、語彙量が豊富か、話す内容に一貫性があるかといった点で評価されます。

次は応答問題が3題で、身近な問題などを題材とした設問に答えたり、電話の応対などを行います。

続けて、資料や文書を活用して設問に答えるタイプの問題が3題、問題の解決策を提案する問題が1題、最後は意見を述べる問題が1題出題されます。

写真などの事実を述べるだけでなく、自分なりの発想を英語で話す際は、設問に対する解答内容の妥当性や話す内容の完成度も評価されます。

Speakingの勉強法①模範解答を丸暗記

TOECスピーキングテストの公式問題集などを購入して、模範解答として例示されている英文を音読します。

何度も音読したり、ノートに書き出して、できれば丸暗記してしまいましょう。

英文を丸暗記なんて、学生の定期試験でもないのに・・・と及び腰になる人もいるでしょう。

しかし、TOEICスピーキングテストで高スコアを短期間で取得するためには、この勉強法が最も効果的で近道です。

例えば、問題の解決策を提案する英語表現はパターンがかなり限定されています。

Let me make some brief suggestions to you.

(あなたにいくつか簡単な提案をさせてください。)

上記の表現を覚えておくと、具体的な提案内容を頭に描くまでの時間稼ぎとしても活用できます。

I propose to have a meeting tomorrow.

(会議を明日にすることを提案します。)

proposeは「提案する」という動詞なので、この問題形式では重宝する単語です。

I would suggest that we skip over the details and get to the main point.

(私たちは細かな点を飛ばして、主要な点に迫るべきかと思います。)

ここで例示したwouldは動詞の前に置くことで口調を和らげる役割を果たしますが、日本人にはなかなか使いこなすことが難しい用法です。

I would prefer to go to the zoo rather than to the park.

(公園よりも、むしろ動物園へ行きたいです。)

上記も同様の用法です。

このような完璧な正しい口語的英語表現をインプットしていくことで、自分の言葉として定着させ、応用して使うこともできるようになります。

特に英語初~中級者で、スピーキングが苦手だと自覚している人には、ぜひ取り組んでもらいたい勉強法です。

留学経験や海外出張が多いなど、ある程度スピーキング力に自信がある人は、逆に英文1文ずつであればすぐに暗記できるでしょう。

便利な英語表現を必要に応じてすぐに口に出して使いこなすためには、ある程度のインプットが絶対に必要です。

「こんな便利な表現があるのか、自分もスピーキングテストや英語会議の際に取り入れてみよう」

と思える英語表現に出会ったときは、読み流すだけでなく、手帳に書き取っておくことをおすすめします。

人間の脳は忘れてしまうものなので、都度思い出せるように工夫が必要です。

忘れて、思い出して、というプロセスを何度か踏むと、絶対的記憶として自分のものになるのです。

Speakingの勉強法②毎日英語を聞く&読む

生まれたばかりの赤ちゃんは、当然言葉を話すことができません。

親、特に母親の言葉は胎内にいるときから聞いているのでその後の言語形成にも大きな影響を及ぼし、早い子だと1歳になる前に言葉を発します。

第二、第三言語として英語を習得する日本人も同様に、英語を聞いた量が十分でなければ、流暢に話すことはできないのです。

つまり、スピーキング力を高めるためには英語をたくさん聞くことが重要なのです。

赤ちゃんとちがって、私たちは文字を読むことができるので、聞くだけではなく英語を読むことで早くインプット量を増やしていけます。

大切なことは、毎日コンスタントに英語を聞いて、読むことです。

1週間に1回まとめて勉強をして詰め込むよりは、毎日30分でも英語に触れ続ける方が効果的といわれます。

机上に向かって英語を勉強しなくても、電車の中で英語の本を読んだり(最近では日本語の対訳がついていたり、レベル別の本が多く出ています)、移動中にイヤホンで英語を耳から聞くだけでもいいのです。

自分が興味のある、観たかった洋画のDVDを英語字幕で観るという勉強法もおすすめです。

英語字幕で観るというのがポイントで、これを日本語字幕にしてしまうとほとんど意味がなくなってしまいます。

TOEICはスピーキングテストもビジネスシーンからの出題が多いため、ビジネスシーンが出てくるような洋画を選ぶとより勉強になるでしょう。

ここでは、日本でも大ヒットした「プラダを着た悪魔 the Devil Wears Prada」からいくつか英語表現を紹介します。

I was Miranda’s second assistant but her first assistant recently got promoted, and so now I’m the first.

(私はミランダの第二助手でしたが、第一助手が最近昇進したので、今では私が第一助手です。)

これは冒頭シーンのセリフですが、SVC、SV、SVCの単純な英文を続けているだけで単語も簡単なものばかりです。

ただ、日本語訳を見て英語にできる人は少ないのではないでしょうか。

I am not skinny or glamorous and I don’t know that much about fashion.

(私はやせていないし魅惑的でもないし、ファッションについても詳しくありません。)

ここからは面接のシーンで、ファッション業界の知識も何もなく面接を受けに来た主人公のセリフです。

skinnyという単語は、「かなりやせている」という意味でよく使われますが、日本人では知らない人も多い単語です。

But I’m smart.  I learn fast and will work very hard.

(でも私は頭がいいのです。早く学びますし、一生懸命働きます。)

smart、learn fast、work hard、どれも中学校で習う英単語で英文法もSVC、SVという最も単純な形です。

洋画は難しそうだから、とても自分の勉強法には取り入れられないと考えている人は、意外と簡単だと驚いたのではないでしょうか。

これらの発言は流れるように続いていくので、聞き取れないからわからない、ただそれだけのことなのです。

洋画で英語を勉強するときは、手元にリモコンを用意して、一文ずつ停止してわからない単語を辞書でチェックしつつ丁寧に進めていきましょう。

次のシーンが気になるので、熱中して気付けば「何時間も英語を勉強していた」という、うれしい驚きもあるかもしれません。

まとめ

TOEIC スピーキングテストは、実際にビジネスで必要とされる英語力を直に測ることができる試験として、注目を浴びています。

英語のスピーキング力が、今後の日本のビジネス社会において重宝されることは間違いありません。

既に訪日する外国人数は近年稀に見る伸びを見せていて、最多数を毎年更新し続けています。

スピーキング力を伸ばす勉強法としては、今回ご紹介したように良質な英文を多くインプットすることが重要です。

充分なインプット量がなければ、アウトプットすることができないのは、言語習得の天才である赤ちゃんも同じです。

英語が母国語ではない外国人の英語学習は、地道な努力が実を結びます。

ネイティブイングリッシュスピーカーの話す英語のシャワーを毎日浴びることで英語力は確実に伸びますが、これは何も留学をしたり高い語学学校に通わなくてもいいのです。

今回ご紹介した勉強法で、ぜひ今まで観たかった洋画を英語で観ることにチャレンジしてみてください。

興味がある映画であれば、尚のこと、途中で断念することもないでしょう。

楽しんで学んだことは、よく身につくといわれます。

I highly recommend that you study English with joy and excitement!!

英語は楽しみながら勉強することを、自信を持っておすすめします!