TOEICの勉強法!Part7対策
形式の新旧を問わず、TOEICテストの中でも難関の一つと呼ばれるのが、長文・複数長文から構成されるPart7です。
この記事では、この難関パートの攻略方法をお伝えいたします。
この記事のContents
最も高く険しい山、Part7とは
TOEICテストという集中力と体力が必要とされる試験の中で、リスニングと言う大きなうねりを乗り越え、リーディングパートの中でも素早く百人切りをするかのごとく通り抜けなければならないPart5から6を乗り越えてきた、息も絶え絶えな受験生の前に最後に立ちはだかるのが、多量のテキストに対する正確な読解力をみるこのPart7です。
公式サイトの問題の紹介分には「いろいろな文書が印刷されている。」と言うざっくりとした説明しか載っておりませんが、この「いろいろな」とい言うのが曲者です。
余裕のある人は公式サイトに載っているサンプル問題を解いて頂ければお分かりいただけると思うのですが、雑誌、新聞記事、メール文面、SNSメッセージなど、とにかく問題に使われる文章量と種類が多く、解答の選択肢も全て英語でボリューム豊富なものとなっています。
そして、TOEIC試験の特徴の通り、最初にやや軽めのジャブの様な解きやすい問題を配置し、後半に行くにしたがって一問一問が重みを増して解きにくくなっていきます。
特に、単一の長文から複数の長文に切り替わると、途端に解答スピードが鈍化し、「読み切れない…」という状態に陥りながら時計を見つめ、「時間がない…」と焦ってしまい、中途半端な読解のまま当てずっぽうの選択肢を選んだり、解答しきれない問題が残ったりしてしまうのです。
果たして、この難所を上手に乗り越える道筋を記した地図は有り得るのでしょうか。
得点源にすることもできるPart7
このように、かなりの確率で受験者が一番消耗していくPart7ですが、一方で英語ができる人はこの部分を着実に解答し、得点源にしていることも事実です。
問題文が記載されている分、リスニングのように一発勝負ではないので、見直しがしやすい、と言うのがその理由です。
考え直してみると、TOEICのリスニングは問題文が表記されておらず、時間ごとに区切られた枠内で流れる音声を直接理解し、選択肢を選んでいくと言う、「受け」がメインになる形になっています。
しかしリーディングの場合、パートごとの時間枠という制約が外れ、(書き込みが許されていないにせよ)問題文が残されているのであり、制限時間内に「こちらのペースで解答をすることができる」ので、若干ではありますが攻めに回ることができるのです。
そんなこと言われてもPart7で得点を稼げるなんて思えない、と言う方もいらっしゃるでしょう。その気持ちはわかります。
それでは、なぜ得点にすることができないのかをここで振り返ってみます。
速読力が全てを決める
Part7攻略に取り掛かるうえで「なぜこのパートは解けない、解きづらいのか」を振り返ると、その全てが「速読力」と言う能力の有無に収斂していきます。具体的にいえば、長文問題をそのまま日本語に変えず理解してしまえる能力です。
これはリスニングに関しても言えることですが、TOEICで高得点を狙える層のほとんどは、英語を見ると意味を日本語に変換する手間をかけずにそのまま理解し、解答の選択肢の正誤を見定め、正しいものを抽出する能力があるのです。
言い換えると、英文に接したときに映像や画像がそのまま頭の中に浮かび、英語でその表現と説明ができるレベル、とでも言えるでしょうか。巧拙の差はあれど、上級者の脳内はそのような離れ業ができるようなレベルになっています。
そのような人達ですから、英文がテスト上に残されているリーディングパートは、ある意味で「答えが載っている」のに近い状態なのです。
勿論、受験者の皆様が全てその域に到達できるとは限りませんし、それを望まない場合も多いでしょうから、ここでは通常の努力と小手先の技巧でどこまでPart7を解く力が身に着けていけるかを見ていきましょう。
受験前に英文を多読する習慣は身に着けておく
TOEIC受験全般について重要なことですが、英文に触れ、読む機会を増やしておくことはこのPart7を解く上での大前提です。長い文章やパッセージのまとまりを読むうえでの基礎体力がなければ幾ら小手先の技術を弄しても試験全体を乗り切れません。
筆者がお勧めするのはやはり新聞記事や英文雑誌の通読、あるいは翻訳付き新聞記事解説集などを利用することです。
リーディングパートの英文量を考えると、日刊英字新聞を1~2時間以内に斜め読みし、内容を把握できると言う目標を設定しましょう。
速読力も十分に付きますし、Part7に直結するような求人広告、会社情報などの情報にあふれているので、実際の試験時に「あっ、これはこの前の新聞で読んだな」と安心するはずです。
もう一つ、英文を多読することでの恩恵があります。
それは「言い回しに慣れることができる」です。
これは英文科の学生などが大学で学ぶことですが、英文の記事と言うものはどのように書くのか形式がある程度決まっており、その作法に則った文が公式で使われることが多い」のです。
後述の攻略でも触れますが、英文記事には様々な特徴があります。「同じ単語を使って冗長な表現になることを避ける」、エッセイなどの試論・報告型式文では「最初に主張を持ってきて、それについての支持、反対意見や反証、それの解決策、再度結論で主張を述べ直す」、その中でも繰り返し伝えたいことについては「違う言い回し方法で表現する」等です。
これらの技術はPart7でも多く使われているので、早めに慣れてしまい、試験で面食らわないようにしていきましょう。
単一長文問題攻略法
さて、それでは単一長文問題の攻略方法に移ります。単一長文問題はほぼパターンとなった問題が多いので、安心して対策を立てることができます。
先ず、問題文のソースとなる長文があり、それについての5W1Hが読み取れているか、またその文の内容を別の言い方で表現する、すなわちパラフレーズできる能力があるか、と言う点が問われます。
具体的に選択肢を見ていくと、問題文の中で述べられていることに合致する内容、その中での言い回しが仄めかす意味、文章が言及していない内容、文章の中で欠落している一文が正しくあてはまる場所を指摘する、と言う形になっています。
この形式の問題の攻め方は、正攻法なら素早く提示された文章を読んで内容を把握してから各設問に答える形になりますが、裏技として、先に選択肢の前の問いかけを読んでしまい、該当する部分に来たらその部分だけを把握して選択肢を選ぶと言う方法もあります。
もっとも、「問題文全体が意味する内容を以下の選択肢から選びなさい」と言う問いかけもありますので、そういう時は諦めて問題文を読みましょう。
このパートを攻略するためには、問題集を解くのももちろんですが、新聞記事などを自分の言葉でまとめ直して短いまとめを作る、という学習方法も効果的です。
その時、文章の中で使われている単語を他の言葉で表現し直したりする訓練をすると更に得点力が向上するでしょう。
複数長文問題攻略法
次の複数長文問題は、広告に対する注文メールの応答やクレームなど、複数の情報源を把握して単一長文問題と同じような質問の形式を取りつつ、その内容の理解度を問う問題になります。
この問題においては、とにかくソースとなる文章の内容をどれだけ把握しているかが重要になります。
単一長文問題のように、選択肢を先読みして問題文のそれにあたる部分だけを読む、と言う方法だけでは対処しきれず、かえって内容が不明になってしまう恐れがあります。ここは焦らず正攻法での攻略を行いましょう。
しかし、その中でもパターンがあるのでそれは知っておいて良い情報です。
そのパターンとはすなわち、「情報源A(提示)→情報源B(多くは資料や表)→情報源C(リアクション)」と言う流れで、「何かしらの取引があって、それに対しCが何らかのアクションを取っている」と言う構造です。
つまり、その間の情報を読み取る力があれば、解答はだいぶ楽になります。
この形式に慣れていくには、とにかく公式問題集のPart7対応部分を繰り返し解くことが効果的です。
今までとは異なって内容が増えて複雑になっており、2016年中盤の時点ではこの問題集が一応の対抗手段となるからです。しっかりとその内容を追いかけ、得点できるようにしましょう。
おわりに
いかがでしたでしょうか。Part7はTOEICテストの中でも最難関のパートですが、問題文が紙面に残っている以上、必ず解答の糸口を探せる場所でもあります。
そのためには速読力を身に着け、英文の意味を素早く理解して設問に答えていく努力が必要になります。
努力をすれば必ず得点できる分野なので、得点源にできるように頑張りましょう!